今日は、仕事のパートナーと国立の街で打合せでした。
その際、こどもの絵本の読み聞かせの話になりました。

昔の日本では、わざわざ「読み聞かせ」などと言う言葉を意識しなくとも、お母さんが子供に絵本や童話を寝る前に読んでくれることは、特別なことではなく、日常のひとこまになっていたおうちが多かったでしょう。
でもね、私はというと、実は「読み聞かせ」を聞くのは好きではありませんでした。

それで今日、ふと気付いたのですが、早くから「音楽」に興味をもつ子というのは、家にあるレコードや親などが買い与えてくれる子供向けのレコードなどから、“自分で選んで”聞いて楽しむ遊びをしていたという人が多いのではないでしょうか。
これまで私が会った音楽家や、かつての音楽の仕事仲間たちもほとんど、そういう原体験をもっている話をしていたと思います。
つまり、読み聞かせよりも一人遊びが好きな子供が音楽好きには多い?! 
だってね、音楽を聴いて悦に浸っているのだから、親は邪魔ですね。(笑)

私の音楽原体験はソノシートです。
といっても、音楽オンリーのそれではなくて、「みにくいあひるの子」や「シンデレラ」などの童話のソノシート。
それはそれは完成度が高いもので、ミュージカル風といっていい作りのものでした。
つまり、音楽とナレーション・せりふと絵本からなる総合芸術の世界だったのです。

とっくの昔に手放してしまったので、私の許に現物はなく、今聞けないのが非常に残念。
でも、もうちょっと詳しい内容を確認したいと思って、先ほどネットで調べてみました。
ありましたね。どうやらこれです。

「世界名作童話全集」(昭和39年〜40年現代芸術社発行)

あるサイトでは、この全集は全5巻。ラインナップは次のとおりと記してありました。

(1)ジャックと豆の木/ねむり姫/みにくいあひるの子/ガリバーの冒険
(2)一寸法師/ぶんぶく茶釜/浦島太郎/つるの恩返し
(3)アラジンと魔法のランプ/シンデレラ/長くつをはいた猫/みつばちマーヤの冒険
(4)海さち山さち/かぐや姫/おむすびころりん/彦一とんち噺し
(5)ちびくろサンボ/ピノキオ/青い鳥/ヘンゼルとグレーテル

これに間違いないですね。
当時、4〜5歳だった私は、この中でも海外のお話のほうが好きだったことを思い出します。
特に、「みにくいあひるの子」と「シンデレラ」は、せりふと音楽の一部を今でも記憶しているくらいで、とにかく夢中になりました。

他のサイトによれば、当時の宣伝コピーは、「安心してお子様に与えられる児童向けフォノシート」。
私の母が私のそばについていることなく、安心して子供にこのソノシート(フォノシート)を与えっぱなしにしていたわけですね。(笑)
童話名作全集のソノシートを自分でかけ、見知らぬ世界のお話にどっぷり浸りこみ、お話の世界に想像を膨らませ、吹き込まれている歌を一緒に歌い、せりふを真似、演奏を聞き入り、絵本に見入る。
楽しくて仕方がありませんでしたね。
これが音楽の原体験でした。

ああいう商品は今でもあるのでしょうか? 
思い起こせば、音楽の部分の素晴らしさは際立っていたように思います。
おそらくすべてオリジナル曲。
コーラスや歌、音楽のジャンルも多岐にわたっており、当時の日本のジャズ&ポピュラーの音楽家たちも力を貸していたのでしょう。まことにカッコよい作・編曲、演奏でした。
彼らの音楽の素晴らしさは、当時のアニメや映画音楽にも残されていますが、こういう子供向けの作品でも活躍されていたのです。

これからの子どもたちが生涯忘れえぬ音楽の体験を与えられるのは、今活躍している音楽家の方たちやこれから音楽家になろうとしている音大生などの若い人たちですね。
そういう仕事ができたらどんなに素晴らしいことだろうと思います。